今月の臨床 経腟超音波を使いこなす
産科での活用
12.子宮頸部の観察—早産予知の情報として
石原 楷輔
1
1日本医科大学附属第二病院産婦人科
pp.480-488
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903238
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本邦における早産の頻度は約5%である.自然早産の原因は,陣痛の早期発来を主徴とするもの,頸管の早期熟化(頸管無力症)を主徴とするもの,前期破水によるもの,などが主である.一方,周産期死亡(先天奇形を除く)の約75%は早産児であり,早期産未熟児が大きな割合を占めており,一方,新生児医療が進歩した現在でも体重が低いほど精神神経発達の長期予後が芳しくないという事実がある.したがって,自然早産の予防の確立は現在の周産期医学における大きな課題の一つである.
最近は早産の病態に関する研究が進み,予知・予防・治療への応用が試みられている.その一つに早産マーカーとして癌胎児性フィプロネクチンや顆粒球エステラーゼが活用され,また,子宮頸部の超音波画像を用いた早産の管理が行われている.
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