今月の臨床 産婦人科エコー診断—撮り方,読み方のこつとポイント
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3.超音波画像からみた切迫早産の子宮頸部所見
石原 楷輔
1
1日本医科大学第二病院産婦人科
pp.584-588
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902520
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早産の微候をいち早く察知するには,まず,患者の些細な訴えをおかしいと感知する医師の感性と注意深い内診が基本となるであろう.しかし,患者のわずかな症状を取捨選択する能力や内診による判断力は経験年数や熟練度によりかなり個人差があるのは否定できない,そこで客観的な評価法を組み込むことでより落差のない判断が求められるが,分娩監視装置による子宮収縮の検討はその一つである.さらに最近では経腟超音波断層法による頸管の評価が有用であると認識されるようになった.
超音波画像から頸部を評価する場合,通常,頸管の長さと内子宮口の形態が重要な観察ポイントとされている.頸管長の短縮は切迫流早産の重要な所見で,内子宮口の開大は頸管無力症の決定的所見であるが,頸部の熟化を評価する所見はなかった.
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