連載 Obstetric News
早産の予知と予防(1)─切迫早産の診断(早発陣痛)
武久 徹
1
1武久レディースクリニック
pp.1104-1105
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208555
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早発陣痛患者で適切な介入の候補者は?
早発陣痛の妊婦のうち,最終的に早産となるか否かを診断することは難しい.早発陣痛の約30%は自然に解消し,早発陣痛で入院した患者の50%は実際には満期分娩となる.
分娩の可能性を減少させる介入は,分娩時期遅延が新生児に便益性を与える妊娠週数での早発陣痛妊婦に行うべきである.一般的には子宮収縮抑制薬は48時間までは有効である(Cochrane Database of Systematic Reviews 2004, Issue 4. Art. No. : CD004352)から,48時間の分娩遅延で便益性がある胎児の妊婦のみが子宮収縮抑制薬療法を受けるべきである.一般的には,新生児生存可能前の使用の適応はない.介入にかかわらず,その時期での周産期罹患および死亡率は非常に高いので,子宮収縮抑制薬療法に関連するリスクを正当化できない.しかし,胎児生存可能妊娠週数前の子宮収縮抑制薬投与が適切な時期もある可能性がある.例えば,腹腔内手術のような早発陣痛の原因となることが知られている事象後の患者で,子宮収縮を抑制することの有効性は依然として不明であるが,仮に有効であるとすれば,このような場合では胎児生存可能妊娠週数以前でも理にかなっているかも知れない.
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