今月の臨床 経腟超音波を使いこなす
産科での活用
11.ダウン症の初期スクリーニング
久保 智秀
1
,
岡村 州博
1
,
赤平 純一
2
1東北大学医学部産婦人科
2十和田市立病院産婦人科
pp.475-478
発行日 1998年4月10日
Published Date 1998/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903237
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超音波断層法検査は,産婦人科診療にとって今や必要不可欠な検査法の一つである.その検査法には経腟法と経腹法があり,観察する対象によってそれぞれを使い分けることで多くの情報を得ることが可能である.経腟法は,経腹法と比較した場合,高周波の超音波を用いることが可能であるため,妊娠初期の胎嚢や胎芽,胎児の描出にすぐれている.
ダウン症候群(Down syndrome, trisomy 21syndrome)は,多くの身体的特徴を有するため胎児期における超音波スクリーニングが試みられ,いくつかの超音波マーカーも報告されている.また最近では,妊娠初期(妊娠8〜13週)の胎児後頸部の肥厚がダウン症をはじめとする染色体異常のスクリーニングに有用であるとの報告も多い.
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