今月の臨床 腫瘍マーカーは何を語るか
診断への実践的応用
5.組織診に利用される腫瘍マーカー
坂本 穆彦
1,2
,
土田 里香
1,2
,
山内 直子
1,2
1東京大学大学院医学系研究科人体病理学
2東京大学医学部病理学教室
pp.173-175
発行日 1998年2月10日
Published Date 1998/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903172
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腫瘍マーカーが組織診で利用される際は免疫組織化学的染色(免疫染色)として用いられる1-3).組織学的診断はヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)標本での所見を基準として行われるが,その診断を補助するためには種々の染色法が考察され実用化されている.免疫染色はこれらの特殊染色とよばれるものの1つと捉えることができる.
本稿では免疫染色のもつ意義と限界性について一般的な事項について述べる.次いで子宮および卵巣の病変を中心に免疫染色が実地の組織診に有効な事例に限定して各論的に概説する.研究段階にあるがまだ実用化していない多くの抗体が報告されているが,これらについては割愛する.
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