今月の臨床 婦人科における検査法—有用性と再評価
腫瘍
5.絨毛性疾患で画像診断をどう利用するか
藤野 敬史
1
,
藤本 征一郎
1
1北海道大学医学部産婦人科
pp.953-955
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903029
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絨毛性疾患の治療に当たっては妊孕能を温存することが求められることが多く,また化学療法が著効することから手術を行わず,病理組織学的診断のないままに治療を行うことが少なくない,このため絨毛癌診断スコアによる臨床診断が用いられ,その有用性は広く認められている.それでも絨毛癌と侵入奇胎とでは適用すべき化学療法も予後も異なることから,正確な鑑別診断を行うためのさまざまなデータが必要であることに変わりはない.従来は鋭敏に病巣を検出でき,病型診断が可能なことから,骨盤動脈造影(PAG)が必須の検査であったが,CT, MRI,超音波などの機器の性能向上に伴って,これらの非侵襲的な画像診断法により絨毛性疾患のより正確な病態診断が可能となってきた.本稿では主として存続絨毛症に絞って,これらの画像診断が病型の鑑別診断,管理,治療に対して果たす役割について述べる.
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