今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい
免疫性不妊
10.抗精子抗体陽性例の治療法は?
柴原 浩章
1
1兵庫医科大学産科婦人科
pp.1464-1467
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902748
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「抗精子抗体の検査はどうするか?」(1454ページ参照)で述べたように,抗精子抗体には多様性があるので,不妊症の有無にかかわらず,既婚女性のなかには抗精子抗体を保有している場合が少なくない.このなかで不妊症との関連性が強くて治療を要するのは,抗体が生物活性を示す場合,すなわち精子の運動能力や受精機能を障害する場合と考えてよい.
したがって抗精子抗体の測定結果を検討する際,どの検出方法による結果であるのかが重要で,例えば精子への単なる結合だけを捉え,生物活性まで反映しない抗精子抗体をスクリーニングする方法(1454ページの表1を参照)で陽性と判定されているのであれば,引き続き精子不動化試験などを行う必要性がある.
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