今月の臨床 不妊治療—ここが聞きたい
免疫性不妊
9.抗リン脂質抗体症候群の治療法とそのタイミングは?
安達 知子
1
1東京女子医科大学産婦人科
pp.1462-1463
発行日 1996年11月10日
Published Date 1996/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902747
- 有料閲覧
- 文献概要
当科では.抗リン脂質抗体症候群(antiphos—pholipid antibody syndrome:APS)の診断基準を満たさない場合でも,抗リン脂質抗体(anti—phospholipid antibodies:APA)陽性の患者にはAPSに準じた治療を行っている.治療対象となる患者は,不妊不育症患者,妊娠中の患者,婦人科手術患者であり,APAの評価および既往の臨床症状と過去の治療歴により,治療開始時期や治療法を変えている.APAとしては,ループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant:LAC)およびELISA法による抗カルジオリピン抗体(anticar—diolipin antibodies:ACAIgG)の測定の他,β2glycoprotein 1(β2GPI)依存性ACAの定量を行い,β2GPI依存性ACA陽性の場合はintensiveに治療管理を行う.以下,それぞれの対象に分け,治療について解説する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.