今月の臨床 難治性合併症を診る—婦人科
難治性不妊症
12.抗精子抗体
小森 慎二
1
,
香山 浩二
1
1兵庫医科大学産婦人科
pp.1224-1225
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901913
- 有料閲覧
- 文献概要
抗精子抗体の不妊症における意義
抗精子抗体による不妊症発生の機序として,①精子の性管内通過障害,②受精現象に対する障害作用,③受精卵への影響が考えられる.
第一の性管内での精子通過障害としては,抗精子抗体が血中より頸管粘液(CM)内に移行しあるいは局所抗体産生により精子のCM内への進入が阻害されることが判明している.さらに,AIH後の腹腔鏡検査で腹水中に検出される運動精子の数が抗精子抗体保有婦人で著しく少ないことも明らかとなっている.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.