増刊号 最新の不妊診療がわかる!―生殖補助医療を中心とした新たな治療体系
第4章 生殖補助医療時代の一般不妊診療―検査や治療の意義と限界
男性不妊―検査
抗精子抗体の意義
柴原 浩章
1,2
,
本田 晴香
1,2
,
武田 和哉
1,2
,
脇本 裕
1,2
1兵庫医科大学産科婦人科学講座
2兵庫医科大学病院生殖医療センター
pp.263-266
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210685
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▶男性側の抗精子抗体(ASA)のスクリーニングには,精液検査の際に運動精子上に結合する精子結合抗体を検出する.血中抗体の検出は臨床的意義が低い.イムノビーズテストは製造中止となり,現在はイムノスフェアを行う.
▶妊孕性のある男性が,射出精子上に結合するASAを保有することがある.これは精子の運動能や受精能を障害するという生物作用を有しないASAが結合する場合である.
▶したがって精子結合抗体が陽性の場合には,二次検査として性交後試験や受精阻害試験を実施し,治療方針を決定することが重要である.
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