今月の臨床 不妊の原因を探る
精子
27.抗精子抗体検査法
繁田 実
1
Minoru Shigeta
1
1明和病院産婦人科
pp.1222-1223
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901487
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抗精子抗体検出法とその選択
抗精子抗体の検出法には表1に示すごとく多くの方法がある1)。目的とする抗原が膜抗原であるか否か,生死により変化するか否かなどにより選択すべき方法は異なってくる。多くの方法が報告されたのは生殖生物学,免疫学の進歩に伴ってそれぞれの時期における新しい手法を応用したという背景がある。例えば,感作血球凝集反応や,ELISA法は精子抽出抗原に反応する抗体を検出する点では同じであるが,後発のELISA法が感度・操作性において優れているため,現在ではELISA法が普及している。それぞれの検出法の詳細については紙面の都合上省略するが,各検出法の特徴について若干解説を加え,どの方法を選択するかについて説明する。
精子には種々の抗原があり,反応する抗体も多数認められるが,一つの測定法ですべての抗体を検出することはできない。固定した精子を抗原として使用する間接蛍光抗体法やELISA法などAの方法では,生存精子膜上の糖鎖抗原の検出は困難であり,これらの抗原に対する抗体の検出にはBの方法が適している。
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