今月の臨床 乳房—管理のポイント
乳癌
5.乳癌に対する手術後補助療法
冨永 健
1
1東京都立駒込病院外科
pp.948-950
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902604
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乳癌の手術成績は他臓器癌,とくに消化器系のそれに比べるとかなりよいと言える.しかし早期癌を除いては満足すべき生存率を得ているとはけっして言えない.手術療法には限界があり,早期癌に相当する腫瘤径2cm以下のなかのhighrisk groupと中期以後の症例に対しては何らかの補助療法を加えて治療成績を向上させる必要がある.最近I期乳癌が多く見られるようになってはいるが,例えば東京都立駒込病院の場合はII期乳癌が50%以上を占め,積極的な検診方策を打ち出さないかぎり,I期の間に見つけるのが遅れる傾向を改善するのは難しい.
また,やや進行した乳癌に対する卵巣摘出術は現在はあまり行われなくなったが,きわめて有用でかつ経済的補助療法である.
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