今月の臨床 乳房—管理のポイント
乳癌
4.手術療法の変遷と成績
元村 和由
1
,
野口 眞三郎
1
,
稲治 英生
1
,
小山 博記
1
1大阪府立成人病センター外科
pp.944-947
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902603
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乳癌の治療成績を左右するのは,手術の時点ですでに転移が生じているかどうか,あるいはすでに転移が成立した癌細胞に対し術後補助療法で制御しうるかどうかということにある.
いかに手術の切除範囲を拡大しても全身に波及した癌細胞には対処できず,すなわちどのような手術法を選択しようと治療成績に差を生じないことが,これまでに行われた手術術式と治療成績を比較したさまざまな研究により明らかとなった.つまり手術療法は集学的治療のなかで腫瘍量を効果的に減じ,遺残したであろう少量の腫瘍細胞をその後の補助療法にゆだねるという役割を演じていると理解される.
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