薬の臨床
尿中LH簡易測定キット「エルチェックFT」と経腟超音波下卵胞径計測の組合せによる排卵予知
鮫島 義弘
1
,
国重 一郎
1
,
橋本 一昌
1
,
久保田 康愛
1
,
澤井 啓祐
1
,
佐治 文隆
1
1大阪大学医学部産婦人科
pp.855-857
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902582
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
尿中LH値の簡易測定による排卵予知の成績を向上させるために,超音波下の卵胞径計測と組み合わせ,尿中LH値の簡易測定の結果を正確に判断することを試みた.主としてクロミフェン投与患者に対し,経腟超音波下の卵胞径計測を行いつつエルチェックFTを施行して排卵日の予知を試みたところ,60周期/61周期,98.4%において排卵日を正確に予知することが可能であった.このとき,エルチェックFTによる尿中LH値がピークとなった日,すなわち排卵日の前日において,最大卵胞径は少なくとも18mm以上となっていた.最大卵胞径が18mmとなってから排卵するまでに要した日数は,最大6日であった.クロミフェン投与周期における最大卵胞径増加率は2.31±1.49mm/日(平均値±2SD)であった.以上より,効率よく正確にLHサージを捕捉するためには,最大卵胞径が15〜17mmになったら,エルチェックFTによる尿中LH値の測定を開始すればよいと考えられた.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.