薬の臨床
患者自己判定によるLHカラーを用いた排卵予知の検討
亀田 隆
1
,
加藤 宗寛
1
,
谷口 武
1
,
徳川 吉弘
1
,
木村 正
1
,
脇本 昭憲
1
,
東 千尋
1
,
松崎 昇
1
,
佐治 文隆
1
,
谷澤 修
1
Takashi Kameda
1
1大阪大学医学部産婦人科学教室
pp.525-529
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904857
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尿中LH簡易測定試薬であるLHカラーを用いて尿中LHサージを検出することにより,排卵予知への有用性および患者自身による自己判定の可能性について検討した。6名の正常排卵周期婦人において,尿中LHをRIAとLHカラーとで比較した結果(cut off値は50IU/l),LHカラーの特異性(RIA>50IU/lかつLHカラー陰性)の率は83.2%であり,感受性(RIA≧50IU/lかつLHカラー陽性の率)においても85.3%と優れていた。10名の不妊患者において,LHカラー判定を熟練者と患者自身による2者とで比較した結果,10名中2名はその判定が熟練者と患者自身で異なっていたが,残る8名はすべて判定結果が一致し,RIAによる尿中LHの値とも相関が認められた。以上のことより,LHカラーは尿中LHサージ検出に優れ,排卵予知への有用性が確認された。また操作の簡便性より,患者自身による自己判定の応用も可能と考えられた。
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