連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
会陰側方切開時の一試法について
永井 英男
1
1元:日赤医療センター
pp.839
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902578
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分娩時会陰切開後に創部の適合がふできなために,腟口がゆがんで左右不均等になり,人に見せる部分でないからよいが,美容形成上醜い状態になることがある.もともとこの部分は中央切開の場合はよいが,側方切開のときは切開した創部への力学的な緊張度が均等でなく,ズレが生じやすいのでよほど正確な創部の適合が必要である.
そこで私は切開する前に行う局所麻酔用の浸潤麻酔の注射が終わったら,その注射針の先端をつかって図①のように軽く傷つけてマーキングして,その後に切開(図②)している.分娩終了後にそのマーキングの部分を正確に適合するように縫合すれば(図③),元の状態への創部の癒合が期待できる.
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