特集 会陰切開
会陰切開;その歴史と概観
千村 哲朗
1
1山形大学医学部産婦人科教室
pp.738-746
発行日 1990年9月25日
Published Date 1990/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903239
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
産科管理における各種の検査や処置は,近年多方面にわたってルーチン化され,有用性が認められる点も多いが,批判的な意見もあり,再検討されなければならない時期ともいえる。分娩時における会陰切開縫合術は,現在,アメリカを中心としわが国でも頻度の高い産科手術の1つであり,分娩時の管理について自然かつ生理的な母体側の要求を満足する立場からみると,きわめて非科学的に常用されている現状に,批判的な意見がある。
「会陰切開と自然裂傷縫合の優位性」が歴史的に膨大な文献上からも論議されてはいるが,いまだ会陰切開術のルーチン化を支持する科学的立証を得るに至っていないのが現状である。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.