今月の臨床 分娩前後の1週間
ルーチン・ケア
9.会陰切開と会陰裂傷
伊藤 博之
1
Hiroyuki Ito
1
1聖路加国際病院産婦人科
pp.538-540
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900841
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会陰切開は1742年にFielding Ouldにより初めて紹介されて以来,今日では全経腟分娩の60〜70%に行われ,とくに初妊婦では90%以上に行われている。その目的とするところは会陰裂傷の予防ならびに分娩第II期の時間の短縮であり,それによって母児が得る利点は多い。しかし,一方では分娩後に縫合部の疼痛,腫脹,癒合不全,離解,瘢痕化などの訴えも多く,なかには会陰縫合はお産より辛かったという褥婦もいる位である。
会陰切開の是非については現在なお議論あるところであるが,ここではあえて触れない。本稿では会陰切開をめぐる問題点と不幸にも生じた会陰裂傷の縫合法の概要につき述べる。
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