今月の臨床 習慣流産をとめる
病因をめぐるControversy
1.安静療法は有効か
中井 祐一郎
1
,
今中 基晴
1
,
荻田 幸雄
1
1大阪市立大学医学部産婦人科
pp.674-676
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902539
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習慣流産とは,自然流産を3回以上繰り返したものと明確に定義されているが,その原因・病態は千差万別であり,その診断はいわば症候群としてのものに過ぎないと考えられる.したがって,その治療としての安静療法の意義を,一義的に評価をするのは不可能であり,多岐にわたる原因の個々について,安静療法の意義を検討する必要がある.さらに,切迫流産に対する安静療法については,多くの医師がその意義について認めているにもかかわらず1),詳細な検討は見当たらないようである.このように,安静療法の意義については常識でありながら,その臨床的意義については曖昧な点を残しているのが現状といえる.そこで,本稿では,習慣流産の主たる原因のそれぞれにおける安静の意義についてあらためて考察を加えてみたい.
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