今月の臨床 産婦人科とウイルス感染
産道感染
2.水痘・帯状疱疹ウイルスの母子感染
森島 恒雄
1
1名古屋大学医学部小児科
pp.264-266
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902441
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
従来,水痘は小児期に罹患する疾患で,成人とくに妊婦の水痘の発症は比較的まれとされてきた.しかし,麻疹などにおいて確認されている罹患年齢層の上昇が,水痘にも十分起こりうると考えられる.すなわち,水痘ワクチンの普及や生活環境の変化などにより,水痘の流行が小規模になり,ワクチン未接種者が,免疫を持たないまま妊娠し,本症に罹患する可能性が高くなることが予測される.本稿では,妊婦の水痘罹患の胎児に対する危険性について,本邦の結果を含めてまとめてみたい.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.