原著
失感情症スケールで高値を呈した更年期不定愁訴例に対する心身医学的検討
後山 尚久
1
,
豊田 勝弘
2
,
折野 一郎
1
,
池田 篤
1
,
植田 政嗣
1
,
坪倉 省吾
1
,
植木 実
1
1大阪医科大学産婦人科
2藍野病院精神神経科
pp.1567-1570
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902344
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
失感情症は感情表現の抑制や周囲環境への過剰適応がみられる性格特性を有するとされる.
われわれの婦人心療・更年期・閉経外来を不定愁訴で訪れ,心理・性格テストを受けた246例のうち,失感情症スケールによる評価で19点以上の非常に高い得点を示した例が9例(3.7%)認められた,これらのうち7例(77.8%)は,全般性不安障害(3例),単極性うつ病,仮面うつ病(3例),心気症(1例)などの精神疾患であった.SRQ-Dでは5例(55.6%)が13点以上を示し,エゴグラムでは「自己否定,他者肯定」的とされるN型およびFC<ACが3例(33.3%)にみられ,CPおよびACの平均値はそれぞれ2.44±0.98および2.28±0.92の低値を示した.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.