症例
正常妊婦に発症しバンコマイシンが著効を呈した非偽膜性・非出血性大腸炎の1例
菓子井 達彦
1
,
川西 孝和
2
,
高木 弘
3
,
水島 豊
4
,
小林 正
4
1高木総合病院内科
2高木総合病院消化器外科
3高木総合病院産婦人科
4富山医科薬科大学第1内科
pp.1571-1573
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902345
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症例:26歳.22歳時第1子正常出産.妊娠20週に感冒と診断され,3日間CLDMを内服した.その後激しい水様性下痢と腹痛が出現し,止痢剤の投与でも改善せず入院となった.経過より偽膜性大腸炎,出血性大腸炎などを疑い検査施行するも両疾患は否定的であった.しかし,脱水症状が著明となったためVCMの経口投与を行ったところ,下痢,腹痛は速やかに改善し,胎児への影響も認められなかった.VCMは妊婦に対しきわめて安全に投与しうる薬剤であることが確認された.高度で難治性の下痢を呈する非偽膜性・非出血性大腸炎に対し,VCMは試みる価値のある薬剤と思われた.
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