今月の臨床 無排卵—病態と治療をめぐるトピックス
新しい病態を探る
7.黄体化非破裂卵胞(LUF)
清水 靖
1
,
福田 淳
1
,
児玉 英也
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.1491-1493
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902324
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黄体化非破裂卵胞(Luteinized UnrupturedFollicle,以下LUFと省略する)は,基礎体温は2相性で,黄体期のプロゲステロンの上昇が認められ,かつ超音波検査で卵胞の発育が認められるにもかかわらず,排卵が起きず卵胞が黄体化する病態と定義される.本症は1975年Jewelewiczによりクロミフェンによる排卵誘発の妊娠率が低いことに対する仮説として提唱され,原因不明の不妊症の要因のひとつであると考えられている.LUFはそれ以降,さまざまな研究がなされたが,LUFの病因,診断,治療に関して一定の見解は得られていないのが現状である.本稿ではLUFに関して報告されている文献を整理して,その病因と臨床的扱い方について概説する.
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