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超音波による黄体化非破裂卵胞の診断
広井 正彦
1
1山形大学医学部産婦人科
pp.943
発行日 1984年12月10日
Published Date 1984/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207101
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黄体化非破裂卵胞(luleinizedunruptured follicle,LUF)症候群は,基礎体温も2相性を示し,血中progesteroneまたは尿中pregnane—diolも高値を示し,明らかに黄体形成を認めるが,腹腔鏡などの検査で卵胞に排卵後にみる小出血斑点(stigma)が存在しないものに名づけられ,原因不明の不妊症の一つと考えられ注目されて来たものの一つである。本症の診断として卵巣表面を直視することは容易でなく,毎周期観察は不可能であった。
そこでLUFの診断として超音皮を用いることが考案されて来た。すでにCoulamら1)は大卵胞の消失と卵胞内のエコー像の出現を認めるが卵胞液の消失後に急速にダグラス窩に遊離液体の証明することが,LUFの超音波学的な診断法であることを報告している。そこでLiukkonenら2)はこの方法が正しいか否かを,原因不明の不妊症37例につき検討した。この患者は全例とも少なくとも2月経周期以上基礎体温をとり,排卵後は子宮内膜が分泌期像を示し,血中progesteroneも上昇しているが,不妊症の原因として卵管も精液所見も正常であるものばかりについて検査した。月経周期の11,16,18,23日目に膀胱を充満させ,超音波にて卵巣の所見を調べた。次の周期の16,18日目に腹腔鏡または開腹にて卵巣の所見を観察した。また,ダグラス窩の貯留の存在の有無も記録した。
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