今月の臨床 病態生理の最前線—臨床へのフィードバック
生殖・内分泌
4.黄体機能不全に関する新しい考え方
福田 淳
1
,
児玉 英也
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.405-411
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902086
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●はじめに
黄体機能不全という概念はJonesら(1949)によりはじめて紹介されたが,彼は“黄体からのプロゲステロンの産生異常”と,かなり狭義なものとして捉えていた.しかしながら,子宮内膜が着床あるいは着床維持に適切な状態にあるか否か,すなわち子宮内膜が十分な発育,分化を示しているか否かが臨床的には重要である.
したがって,黄体機能不全は,黄体期における卵巣のステロイドホルモンの産生異常だけでなく,黄体期子宮内膜の異常も包括した広義なものとして捉える意見が多いようである(表1).このことは,その診断基準(表2)からも窺われ,BBTの異常やプロゲステロン産生異常の他に子宮内膜の日付診のずれも重要な診断根拠となっている.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.