症例
双胎妊娠の管理における臍帯動脈血流速度波形の意義
田中 雄一郎
1
,
吉松 淳
1
,
穴井 孝信
1
,
宮川 勇生
1
Karima Gholbzouri
1
1大分医科大学産科婦人科
pp.891-894
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902189
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1絨毛膜性双胎でTTTSを発症した1例,および発症しなかった1例の臍帯動脈血流動態を超音波パルスドップラー法にて比較検討した.
TTTSを発症した症例は,妊娠24週で著明な胎児の体重差,第Ⅰ児の胎児水腫,第Ⅱ児のIUGRを認めた.超音波パルスドップラー法を用いた臍帯動脈血流速度波形において第Ⅰ児(受血児)の血管抵抗の低下(RI0.57),第Ⅱ児(供血児)の拡張末期血流途絶を認め,妊娠28週で帝王切開分娩(第Ⅰ児:1,624g.第Ⅱ児:822g)となった,一方,TTTSを発症しなかった症例は,妊娠28週で入院となりdiscordant twinを認めた.第Ⅰ児,第Ⅱ児のRIはそれぞれ妊娠28週で0.73,0.77,妊娠37週で0.61,0.66といくらかの差が見られたがTTTSの所見は認めなかった.妊娠39週,経腟分娩(第Ⅰ児:2,788g,第Ⅱ児:2,150g)となった.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.