今月の臨床 胎児へのlife line臍帯
臍帯の臨床
10.一絨毛膜性双胎の臍帯血流
伊藤 茂
1
1順天堂大学医学部産婦人科
pp.932-935
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903715
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一般的に双胎妊娠は早産,妊娠中毒症などの合併症が多く,ハイリスク妊娠とされている.しかし,そのなかでも双胎において児の予後に最も大きな影響を与える合併症は双胎間輸血症候群(twin to twin transfusion syndrome:TTTS)といえる.したがって双胎は,一絨毛膜性双胎か二絨毛膜性双胎かを分けて産科管理を行わなければならない.
一絨毛膜性双胎の管理において最も問題となるのは,その患者がTTTSに対するハイリスク患者であるかどうかを鑑別することである.このハイリスク患者の鑑別のため,現在までさまざまな報告がされている.今回は超音波パルスドプラ法にて最も容易に測定できる臍帯血流計測に着目し,一絨毛膜性双胎の管理における有用性と問題点について述べる.
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