症例
卵巣Sclerosing stromal tumorの1例
名方 保夫
1
,
杉原 綾子
1
,
窪田 彬
1
,
藤島 宣彦
1
,
森 芳茂
1
,
片嶋 純雄
2
1兵庫医科大学病理学第一教室
2高砂市民病院産婦人科
pp.781-784
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902166
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今回われわれは,15歳の女性に発生した卵巣sclerosing stromal tumor(硬化性間質性腫瘍)の1例を経験したので,病理組織像を中心に報告する.肉眼的には,淡黄白色調を呈する充実性部分,浮腫状部分および嚢胞状部分が認められ,組織学的には,細胞密度の高い部分と浮腫状の部分とが,いわゆるpseudolobulusを形成していた.腫瘍細胞は粘液染色は陰性で,ズダンIII染色では陽性像が認められ,転移性腺癌(とくに印環細胞癌)との鑑別は容易であった.また本症例では,核分裂像が散見されたが,良性として容認できうる所見と思われた.
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