症例
Normal-sized ovary carcinoma syndromeの1例—細胞像を含めて
名方 保夫
1
,
窪田 彬
1
,
山中 陽子
2
,
杉原 綾子
1
,
森 芳茂
1
,
井原 茂美
2
,
石川 一幸
2
,
片嶋 純雄
3
1兵庫医科大学病理学第一教室
2高砂市民病院中検病理
3高砂市民病院産婦人科
pp.253-256
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902050
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Normal-sized ovary carcinoma syndromeの1例を経験したので,細胞像を含めて報告する.症例は50歳女性.下腹部痛を主訴として来院.子宮腟部および内膜細胞診で陽性所見(腺癌)を得たので,開腹術が施行されたが,いわゆる癌性腹膜炎(腹水細胞診で腺癌)であった.化学療法後摘出された両側卵巣は正常大であったが,皮質の一部に腺癌細胞が認められた.そこでovarian involvementby serous surface papillary carcinoma(SSPC)の範ちゅうに入る腫瘍と考えられた.原発性卵巣漿液性腺癌であれば,Ⅲ c期に相当する病態でありながら,本症例のようなSSPCとは予後に解離があると思われ,今後の詳細な検討の必要性が感じられた.
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