病気のはなし
Gastrointestinal stromal tumor(GIST)
廣田 誠一
1
,
井出 良浩
1
1兵庫医科大学病院病理
pp.560-566
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103964
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サマリー
GIST(gastrointestinal stromal tumor)はカハールの介在細胞(interstitial cell of Cajal,ICC)に由来する腫瘍と考えられ,その発生にはc-kit遺伝子または血小板由来増殖因子受容体α(platelet-derived growth factor receptor α,PDGFRA)遺伝子の機能獲得性突然変異が深く関与している.原因となっている活性化した変異KITや変異PDGFRAの機能を阻害する分子標的薬がGISTに対して著効を示すことから,KITを中心とした免疫染色による正確なGISTの病理診断は患者の生死に直結する.最近では,術後再発の低減を目的に分子標的薬による補助療法も行われるようになり,その対象患者の選択のための的確な再発リスク評価も病理診断の重要な役割となっている.
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