今月の臨床 GnRH療法—刺激と抑制
GnRHアゴニスト療法
13.子宮内膜症—Danazolとの使い分け
大野原 良昌
1
,
原田 省
1
,
寺川 直樹
1
1鳥取大学医学部産婦人科
pp.315-317
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902065
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子宮内膜症は卵巣ホルモンであるエストロゲンに依存して発生・増殖することから,本症に対する薬物療法としては,血中エストロゲンレベルの低下とエストロゲン作用の拮抗を目的として,ホルモン療法が行われてきた.歴史的にはエストロゲン,アンドロゲンやプロゲスチン療法も行われたが,現在では,GnRHアゴニストあるいは合成ステロイド剤であるダナゾールの使用が主流となっている.両剤の子宮内膜症に対する有効性はすでに認められているものの,薬物療法による根治性には限界のあることも事実である.したがって,腹腔鏡下手術を主とする手術療法と薬物療法の併用も必要となる.薬物療法にあたっては,薬剤の作用機序,有効性,副作用を踏まえたうえでの薬剤選択が重要である.
本稿では,子宮内膜症に対するGnRHアゴニスト療法について,ダナゾール療法と比較しながら概説する.
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