薬の臨床
子宮内膜症danazol療法の副作用—その対策の評価を含めて
福田 良夫
1
,
田村 昭蔵
2
Yoshio Fukuda
1
,
Shozo Tamura
2
1北里研究所病院産婦人科
2慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.97-102
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207938
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Danazolの副作用軽減の一助とすべく,出血軽減を期待し分4投与法を400mg投与例の15例に,体重増加対策として食事指導を25例に試み,また経過を詳細に観察し得た56例を対象に他の副作用についても検討した。
その結果,多い副作用は,①性器出血(100%),②体重増加(98.2%),③座瘡(51.8%),④浮腫(30.4%),⑤肝機能異常(29.1%)であり,このうち性器出血は投薬日数に伴い分2投与で徐々に減少,一方分4投与では容易に減少せず,投薬日数に対する出血日数の比でも,分2投与13.6%,分4投与29.6%で,分2投与でむしろ少なかった。
体重は投与20週まで増加率(平均)において対照群4.9%,指導群3.7%と明らかに抑制されたが,投与26週では対照群5.0%,指導群7.1%と指導無効な結果であった。
座瘡は長く続く症例が多いが,投与終了後3ヵ月までに自然消失した。
肝機能のうち血清GOT値は投与16週で,血清GPT値は14〜22週で平均値の上で軽度異常値を示したが,一過性であった。
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