今月の臨床 婦人科医のためのオステオポローシス
エストロゲン欠乏と骨粗鬆症
5.閉経後の骨粗鬆症
小山 嵩夫
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科
pp.1082-1083
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901870
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近年更年期に対する関心の高まりとともに,その代表として骨粗鬆症が注目をあつめている.閉経前後はエストロゲン欠乏による更年期障害が出現しやすく,また潜在的には骨量減少が急速に進行しはじめ,60〜70歳代以後の骨粗鬆症の下地をつくりはじめている1).
閉経後はエストロゲン欠乏により,活性型ビタミンD分泌が減少し,消化管からのカルシウム吸収も低くなり,不足したカルシウムを骨からもってくるため,骨吸収が促進され,骨量減少がはじまる,その状態を閉経後骨粗鬆症というが,作用機序からみて明確に老人性骨粗鬆症と区別されているわけではない(表1).
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