CURRENT RESEARCH
乳癌,子宮内膜癌に対する新しい抗癌内分泌療法の基礎的研究—アロマターゼ阻害剤とスルファターゼ阻害剤
山本 宝
1
,
福岡 正晃
1,2
,
卜部 諭
1,3
,
北脇 城
1,4
1京都府立医科大学産婦人科
2現:松下記念病院
3現:京都市立病院
4現:社会保険京都病院
pp.793-802
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901790
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私はもともと,教室の主任教授の岡田先生の指導でエストロゲン,プロゲストーゲンの合成・代謝について研究を行っていたのですが,1979年岡田先生のこ推挙で米国のバッファロー医学財団研究所に留学し,アロマターゼの世界的な権威である大沢由男博士の指導を受け,性腺外組織におけるアロマターゼの免疫・生化学的な研究に着手したのが,今日行っています仕事のはじまりです.
その後大学に戻り同様な仕事を続けていますが,当時は基礎・臨床両分野を合わせても,わが国で数人程度しかいなかったアロマターゼの研究者も最近では随分と数も増え,アロマターゼという言葉も概念も浸透してきた感があります.今ではスルファターゼの研究も合わせて行っていますが,近年増加傾向が指摘されていますエストロゲン依存性の乳癌や内膜癌に高いアロマターゼ活性やスルファターゼ活性が認められるのは大変興味深いものです.
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