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ヒトEpidermal Growth Factorに関する最近の知見/新しいアロマターゼ阻害剤CGS16949Aの臨床応用
田部井 徹
1
1赤心堂病院
pp.574,586
発行日 1989年6月10日
Published Date 1989/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208020
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Epidermal growth factor (EGF)は,マウスの顎下腺で産生され,顎下腺あるいは血液,尿などに高濃度に存在し,雄性機能,妊娠あるいは児発育など種々な生殖機能に関与していることはよく知られている1)。
1975年,CohenおよびCarpenter2)は,ヒト尿中におけるEGFを分離同定することに成功し,ヒトEGFの存在を初めて証明した。さらに,ヒトEGFが,アミノ酸53個から成るポリペプタイドであり,従来から知られているβ-urogastroneと同一物質であることが立証された。ヒトEGFの純化精製により,radio-immunoassay法が確立し,ヒト成人男女血液,尿,母体血,母乳,あるいは羊水など生体内の体液中における存在が確認された。とくに妊娠中における母体血中濃度は,妊娠経過とともに上昇する3)。しかし,妊娠中のヒトEGFが果たす役割は不明である。
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