産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン
子宮摘出時の尿管損傷回避の一工夫(後方からのアプローチ)
熊坂 高弘
1
1獨協医科大学
pp.788
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901788
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単純子宮全摘術時の尿管損傷はそう多くみられるものではないが,骨盤内に高度の癒着があったり,出血が多く子宮傍結合織の集束縫合や結紮をくり返す様な場合に,尿管損傷を心配しながら手術を進めることが少なくない.一般的に尿管の損傷は子宮傍結合織の集束切断,結紮するときに起こり易い.これは子宮周囲の癒着などで子宮の挙上が十分でなく,尿管が少しも下方に移動しないまま子宮傍結合織を切断することになることによって起こる.子宮が十分挙上できればその後の手術操作は極めて容易になることはすでに多くの方々が経験されるところである.子宮を最も強固に骨盤に固定しているものは仙骨子宮靱帯であるのでこの切断が本法のキーポイントになる.
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