今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる
薬物療法プラクティス
6.骨粗鬆症の予防と治療
天貝 均
1
1筑波大学臨床医学系整形外科
pp.32-34
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901568
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骨粗鬆症には若年者に発生する特発性骨粗鬆症と種々の疾患によって二次的に発生する二次性骨粗鬆症などがあるが,治療対象となるものの大部分は閉経前後期から老年者に発生する骨粗鬆症である.わが国では,平均余命の延長によって老年者の人口が急速に増大する傾向にあり,今後さらに治療の重要性を増すものと思われている.
骨粗鬆症の発生機序についてはいまだに不明な点が多いが,近年の骨代謝研究の進歩によって,卵巣機能との関係とくに閉経前後期のエストロゲンの消長と骨量の関係,エストロゲンの骨芽細胞に対する作用など明らかになりつつある,現在,臨床的にはカルシウム代謝の改善と骨量の増加を期待できる薬物や治療効果の判定に必要な骨密度測定装置の開発が行われており,積極的な薬物療法が行われようとしている1).
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