今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる
薬物療法プラクティス
4.卵巣過剰刺激症候群の処置と管理
矢野 樹理
1
1愛媛大学医学部産科婦人科
pp.24-26
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901566
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卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は,排卵誘発に伴って起こる医原性疾患であり,発症頻度は中等度OHSSで3〜4%,重症OHSSでは0.1〜0.2%1)から0.5%程度と報告されている.その典型的症状は,卵巣腫大,腹水,胸水貯留,血液濃縮,乏尿,血清電解質不均衡,過凝固などであり,放置すると生命の危険を伴う場合もある.最近のゴナドトロピン療法,とくに体外受精胚移植法やそれに準じる特殊不妊治療法の普及に伴い,発症患者が今後さらに増加する可能性があり,その処置と管理について習熟しておく必要がある.
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