原著
婦人科手術における術後D—ダイマー値の検討
樋田 一英
1
,
恒松 隆一郎
2
,
山田 拓郎
2
,
笠松 高弘
2
,
澤田 守男
2
,
近江 和夫
2
1東京女子医科大学産婦人科
2国立がんセンター婦人科
pp.1245-1250
発行日 2000年10月10日
Published Date 2000/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904171
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
術後正常経過をとった婦人科手術患者33例で血栓症の推移としてD—ダイマーの値を検討した.婦人科手術後約1週間におけるD—ダイマーの値は,単純子宮全摘(単摘)では1.83±0.76μg/ml,広汎子宮全摘などの単摘より大きな手術では5.17±2.39μg/mlを示した.術後のDダイマーの値は,手術の種類,手術時間および出血量との相関を認めた.また年齢やBMIによる影響は認めなかった.
当院において術後に測定したD—ダイマーが高値であることを契機として発見された肺塞栓2症例の術後D—ダイマーの値は,44.7μg/ml(単摘後7日目),22.9μg/ml(単摘+リンパ郭清後7日目)といずれも今回得られた数値から大きく逸脱していた.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.