症例
子宮頸部腺様嚢胞癌の2例
矢島 正純
1
,
種村 健二朗
1
,
樋田 一英
1
,
池田 俊一
1
,
千歳 和哉
1
,
恒松 隆一郎
1
,
山田 拓郎
1
,
近江 和夫
1
,
園田 隆彦
1
1国立がんセンター中央病院婦人科
pp.257-260
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902051
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腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma;以下ACCと略す)は唾液腺,気管支,乳腺などに発生するまれな腫瘍であり,女性生殖器においてはバルトリン腺に比較的多く見られるものの,子宮頸部に発生するものはきわめてまれで,現在までに百数十例が報告されているにすぎない.子宮頸部ACCは1949年にPaalman, Counsellerら1)により初めて報告され,組織学的にいわゆる,篩状構造(cri—briform pattern)を特徴とする予後の悪い癌であるとされているが,症例数も少ないため,その臨床像はあまり明らかではない.
今回,われわれは子宮頸部ACCを経験したので,当院において以前に経験された1例と共に.その臨床経過,細胞診所見,組織診所見について文献的考察を加え報告する.
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