学生研究
乳汁分泌に関与する諸因子
石田 孝江
1
,
大森 絹子
1
,
東垣 綾子
1
,
村上 洋子
1
,
漁野 長子
1
1大阪大学医学部付属助産婦学校
pp.408-414
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205069
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1.はじめに
母乳で育児することは最も自然な姿であり,乳児栄養として,その組成においても,新生児罹患率の抑制,母児間のスキンシップの獲得等においても最良であることはいうまでもない。一時は,母乳に対する知識の不足,粉ミルクへの過信から著減した母乳栄養も,最近ではその意義が再認識され,各地で母乳推進運動が展開されている。
母乳による育児が自然な姿であるように,泌乳も児の出生により自然に開始される。種々の文献によると,完全な母乳の分泌不能者は認められないとされている。にもかかわらず,個々の母親には乳汁分泌量の違いがあり,やむなく,混合,人工栄養へと移行している例は少なくない。乳汁分泌機構に如何なる因子が関与し,乳汁分泌の良否を決定するのか。
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