今月の臨床 産婦管理—on callに応える
分娩室
16.胎児仮死の診断
原 量宏
1
Kazuhiro Hara
1
1香川医科大学母子科学
pp.962-965
発行日 1993年8月10日
Published Date 1993/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901405
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妊娠分娩管理において重要なことは,胎児仮死を見落としなくしかも確実に診断することである。従来より多数の胎児仮死診断法が検討されてきたが,なかでも分娩監視装置や超音波診断装置による胎児心拍数と胎動の分析,さらに羊水量および胎児血流パターンの分析は,胎児の中枢神経系と循環系の状態を直接的に反映するものであり,分娩中に急激に発生する胎児仮死にはもちろん,妊娠中からの潜在胎児仮死の診断にも利用されている。
今回の主題は分娩室における胎児仮死の診断ではあるが,分娩中に生じる胎児仮死の大部分は,臍帯圧迫や過強陣痛が原因であり,分娩監視装置のみで容易に診断できることが多い。したがって本稿では分娩室における問題にかぎらず,入院から分娩終了までにおいて,とくにME機器を中心とした胎児仮死診断に関して解説する。
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