産婦人科医療--明日への展開 病態生理の新しい理解
Ⅱ.産科篇
胎児仮死
佐藤 章
1
,
遠藤 力
1
,
斎藤 純也
1
,
明城 光三
1
Akira Sato
1
1東北大学医学部産科学婦人科学教室
pp.875-879
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206911
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I.胎児仮死の定義と概念
胎児仮死fetal distress:胎児ジストレスの定義は,1970年,日本産科婦人科学会の産科諸定義委員会より,「胎児・胎盤系における呼吸・循環不全を主徴とする症候群をいう。」1)とされている。しかし,世界的にみてもfetal distressに対するはっきりした定義はされておらず,各国によっても,また個人によってもまちまちなようである。
以前,胎児切迫仮死という言葉が用いられていたが,上記の定義からいっても問題があり,現在は胎児切迫仮死という用語は用いてはいない。
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