ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 Fetal Surveillance--その臨床的対応
胎児仮死
佐藤 郁夫
1
Ikuo Sato
1
1自治医科大学産科婦人科学教室
pp.251-255
発行日 1985年4月10日
Published Date 1985/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207154
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I.胎児仮死(Fetal distress)の概念
胎児仮死の概念については,研究者によって種々の見解がみられるが,本邦では「胎児・胎盤系における呼吸循環不全を主徴とする症候群をいう」。そしてこのFetaldistressを胎児仮死と訳している(日本産科婦人科諸定義委員会)。胎児仮死は概念的には広義と狭義に分けられ,後者ではすでに顕性となった前記の症候群をいい,妊娠中,分娩時の双方を含むが,ほとんどが分娩中にみられる。また,臨床的には胎児仮死(Fetal distress)と潜在胎児仮死(Latent fetal distress)に分けて取り扱うのが実際的である。
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