今月の臨床 ホルモン補充療法;HRT
HRTの副作用
23.肝障害
鈴木 暸
1
Akira Suzuki
1
1国立大阪病院産婦人科
pp.866-867
発行日 1993年7月10日
Published Date 1993/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901380
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Estrogen(E)による肝障害としては経口避妊薬(ピル)による肝機能異常,黄疸,胆汁うっ滞,肝の血管病変,肝腫瘍の発生がよく知られている。更年期,老年期のホルモン補充療法(HRT)もEを主体とするものであり,同様の肝障害をきたす可能性があるが,ピルに含まれるEは合成型Eが主であるのに対し,HRTでは結合型Eやestradiol−17β(E2)などの天然型Eが主であり,また用量も少ないためか肝障害はピルに比べて軽度のようである。HRTに使用される薬剤のうちgestagenの肝障害は軽度とされているので,本稿ではEの肝障害について述べる。
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