Japanese
English
セミナー 合併症をもつ患者の術前・術後の全身管理・7
肝硬変,肝機能障害
Perioperative Patient Care:Liver Dysfunctionor Liver Cirrhosis
貝沼 関志
1
Motoshi Kainuma
1
1藤田保健衛生大学医学部麻酔学講座,救命救急センター
キーワード:
肝硬変
,
肝障害
,
周術期管理
Keyword:
肝硬変
,
肝障害
,
周術期管理
pp.391-396
発行日 1998年5月20日
Published Date 1998/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902338
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
肝障害.肝硬変患者を手術する場合,肝障害が肝不全にまで進行すると治療に決定的な方策がなく,その予後はきわめて悪い。肝は手術侵襲で生じたサイトカインなどのhumora-factorを処理するよう働くが,それが過量になったり肝障害がすでに存在すると,肝自体のさらなる障害を引き起こす。腸内細菌とその菌体成分は門脈肝静脈を通って全身へ放出され,全身的な炎症の悪循環を形成する。過大な手術侵襲を避ける術前評価が重要である。術中においては手術操作による肝血流の低下を最小限にし,必要により肝血流や肝代謝に関するモニタリングを行い,腸管,肝動脈,門脈に対する愛護的な操作が必要である。術後は非感染性のSIRSのうちに,肝不全から多臓器不全への進行をくい止めるべく,持続的血液濾過透析を早期に積極的に活用することが必要である。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.