増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅱ併存症をもつ患者の評価とその術前・術後管理
肝疾患
肝障害
守瀬 善一
1
Zenichi MORISE
1
1藤田医科大学医学部外科学講座(岡崎医療センター)
pp.59-61
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110059
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術前評価
肝障害には,ウイルス性や薬剤性などの原因で肝細胞の急速な炎症・破壊が生じている「急性肝障害」と,ウイルス・アルコール・脂肪肝炎などにより慢性炎症が持続した結果,肝細胞量減少(機能低下)・肝線維化に伴う門脈圧亢進症などの不可逆的変化を生じている「慢性肝障害」がある.
このうち肝酵素(ALT・AST)値が著増している急性肝障害では,原因疾患の検索と治療を行って肝障害軽快後手術治療を行うことが望まれる.一般的に,肝酵素値100 IU/L超上昇症例では治療対象疾患が肝障害原因の場合を除き手術適応を慎重に検討すべきとされる.

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