今月の臨床 流産
流産の病因
12.抗リン脂質抗体と流産
牧野 恒久
1
,
小沢 伸晃
1
Tsunehisa Makino
1
,
Nobuaki Ozawa
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科
pp.42-43
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901145
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習慣流産の原因は多岐にわたるが,最近自己免疫疾患などでみられる自己抗体とくに抗リン脂質抗体(APA:antiphospholipid antibody)との関連が注目され話題を呼んでいる。
流産をくり返すSLE患者の中でAPA陽性率が高いのはもちろんであるが,習慣流産以外に臨床症状を示さないAPA陽性患者も多く存在し,APA測定は不育症外来における重要な検査項目の一つとなっている。また,最近では免疫療法(夫リンパ球皮内接種)により抗リン脂質抗体が陽性化したとの報告もあり,注意が必要である。
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