今月の臨床 不育症診療─その理論と実践
抗リン脂質抗体による不育症
青木 耕治
1
1名古屋市立城西病院産婦人科
pp.1137-1141
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100602
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はじめに
不育症患者においては,自己免疫疾患ではないが,何らかの自己免疫異常(自己抗体陽性)を有する割合は20%以上にもなると報告されている.各種自己抗体のなかで,1985年ごろより,抗リン脂質抗体による不育症の存在が明らかにされてきた.その流産を引き起こす機序としては,母児接点での血栓形成による機序と,サイトトロホブラストに直接反応してシンシチオトロホブラストへの分化を阻止することにより,トロホブラストの脱落膜への侵入,着床を障害する機序が考えられている.
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