今月の臨床 流産
流産の病因
11.SLEと流産
佐治 文隆
1
,
古山 将康
1
,
光田 信明
1
,
谷澤 修
1
Fumitaka Saji
1
1大阪大学医学部産科婦人科
pp.38-40
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901144
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SLEと妊娠
SLE(systemic lupus erythematosus)は女性,とくに生殖年齢の女性に好発する自己免疫疾患であり,この年代の罹患男女比は1:15といわれる。SLEの診断基準は以下の11項目が挙げられる。すなわち,①顔面蝶型紅斑,②円型状紅斑,③日光過敏症,④口腔内潰瘍,⑤関節炎,⑥胸膜炎・心膜炎,⑦腎機能異常(蛋白尿,細胞円柱),⑧神経異常(痙攣),⑨血液異常(溶血性貧血・白血球減少・リンパ球減少・血小板減少),⑩免疫異常(LE細胞・抗DNA抗体・抗Sm抗体・STS偽陽性),⑪抗核抗体である。これら11項目中4項目以上に該当する場合SLEと診断されるが,4項目に満たないsubclinicalな症例においても妊娠など特殊な状況下では子宮内胎児死亡などが惹起されることがある。しかし,SLEが不妊の原因となることはない1)。
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